いま 憲法市長 本田久美子

2私の「5つの京都再生ビジョン」

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京都経済再生
京都経済の「2つの大問題」を解決し、「循環」「底上げ」「賃上げ」の実現

8年続いた今の市長のもと、京都経済は全国最悪の状態です。この上、消費税増税が実施されればその影響は甚大です。私は、消費税の10%への増税には絶対反対です。

京都市の事業所は、2009年からの3年間で約1万3000事業所が廃業(15.7%)し、9万2千人以上の雇用が失われています(2012年経済センサス)。これは、政令市では、大阪市につぐワースト2で、非正規労働者の割合も全国平均を大きく上回る43.7%、5年間で2万3,400人も増えました。

「年収300万円のカベ」――20-30代男性の非正規労働者は、9割が「いずれ結婚したい」と本人は希望しているのに、現実には結婚できません。実際、20-30代男性の非正規労働者の「既婚率」は6.7%にすぎません(正規労働者の既婚率は27.2%)。若い学生や青年が、将来や結婚後の生活に、夢も希望も持てない。これが今の京都市の現実です。

何故、こんなひどいことになってしまったのか。京都経済には、「2つの大問題」があります。

第一は、これまでの京都市政が、京都市の特性に合った経済・産業政策をとってこなかったことです。

京都経済の主役は何といっても中小企業です。企業数で99.7%、雇用者数で7割を越える中小企業が、京都経済を支え、地域経済の担い手となっています。ここに軸足を置いた対策こそ必要です。しかし、これまでの京都市政は大手企業やベンチャー企業に偏重した経済政策をとってきました。そして今また、大規模な規制緩和をしてまで外資系企業や東京、大阪の大手企業、ホテルなどを呼び込もうとしています。

中小企業や個人商店で売り上げたお金の多くは、地域の業者の決済に使われ、販売と仕入れなどを通じて、お金が地域内に「循環」していくことになります。しかし、大企業や大型店は、売り上げは即日金融機関を通じて多くは東京の本社に集中され、わずかに地方税と地元雇用の方の賃金だけが「循環」する程度です。その「資金循環」の差は20倍とも言われています。

また、中小企業は、女性・高齢者・障がい者雇用という点でも、自治会や消防団などまちづくりの面でも、「地域の支え手」として抜群の役割を発揮しています。私は、経済政策の軸足を中小企業支援にすえます。「中小企業地域振興基本条例」を策定し、京都経済を土台から支える中小企業、小規模事業者への市をあげた支援に取り組みます。昨年6月、国において成立した「小規模企業振興基本法」の精神に立って、「成長発展」する企業にだけ光をあてるのではなく、「事業の持続的発展」に努力する5名以下の企業を全力で支援します。

当面、投資した税金の二十数倍の経済波及があるとされる「住宅改修助成」や「まちなか商店リフォーム助成」など、緊急経済対策を実現します。地元商店を守り、まちづくりを進めるため、小売商業調整特別措置法(商調法)を活用して大型店の出店を規制します。市内の大企業に対しては、「中小企業地域振興基本条例」の中に「地域経済に果たす役割と責務」を定め、地域の経済循環の確立を図ります。

第二の問題は、「働く貧困」の解決です。ワーキングプアをなくし、安定して働き続けられる雇用を実現することなしに、京都経済の好循環は生まれません。

いまの京都経済の構造的な欠陥は、大企業の所得と内部留保が増え続けている(京都府内大企業トップ10社の内部留保は6兆3,778億円。過去最高)のに、働く者の給料(雇用者報酬)が減り続けていることにあります。

2012年の就業構造基本・統計調査では、京都市内の非正規比率は43.7%、前回調査時(2007年)から3.1ポイント上昇し、全国平均を上回るのび方です。「学生の街、京都は学生アルバイトが多い」と言われ、たしかにアルバイトの比率が全国平均よりも高くなっていますが、しかしその比率は前回と同率で、むしろ「パート」「契約社員」「嘱託」などが増える傾向が続いています。また、年代、業種別でも、その大半で全国平均以上の非正規率となっており、とりわけ25~29歳では、5年間で正規労働者が5,100人減少し、非正規労働者が3,000人増えるなど、新卒採用での正規の求人減少はたいへん深刻な状況です。こうした青年の貧困状態、劣悪な低賃金状態を何としても解決しなければなりません。

私は、安定して働き続けることのできる雇用創出に全力をあげ、正規雇用を増やします。「若者雇用おうえん条例」(仮称)を制定し、京都市として、独自に雇用問題にとりくむ担当部局を作ります。

学生の街・京都で、卒業後も働き続けることができるよう、若者の雇用を応援します。大学とも連携し、ブラックバイトを根絶し、日本学生支援機構の高利子の奨学金制度を給付制にするために国に強く求めます。また、京都市としての独自の給付制の奨学金制度を検討し、当面、京都の中小企業に就職した学生への奨学金の返済軽減制度をつくります。

京都市には1,450の公共施設があります。これらを大企業のもうけのために提供するのでなく、逆に、その改修もふくめ地元のみなさんと活用の方途を検討し、仕事の発注先は基本的に地元中小企業に限定します。市が発注する事業やサービスが地域の中小企業に振り向けられれば、経済の「循環」「底上げ」、そして働く者の「賃上げ」がすすみ、大きな経済効果が生まれます。

また、京都市が発注する仕事において、「官製ワーキングプア」とも言うべき状況が広がっています。「(市の仕事を)赤字覚悟で受注した」「しわ寄せは労働者の賃金」「後継者の育成もままならない」「経営が立ち行かなくなっており、今後続けられるかどうか」など、公契約の下での貧困が拡大しています。

私は、中小企業支援と一体に、京都市が発注した仕事でワーキングプアをつくらないように、新しく制定された「公契約基本条例」の中に最低賃金規定の保障を明記します。ダンピング防止により、元請けの経営を守り、「京都市の発注は、だれでも、どこでも、最低1,000円以上(時給)」の賃金を保障し、安定した良質な雇用を生み出します。